生産者 : ラングドック

マ・ザミエルMas Amiel

ルーションの中心地ペルピニャンから北西へ35キロ、エスタゲルの岩山を含む一帯にモーリーはあります。リヴサルト、スペイン国境のバニュルスと並び甘口ワインの産地として知られています。ルーションでも古い歴史を持ち、昔はモーリーで造られる甘口ワインを薬用で利用していたと言われています。

アペラシオンの制定も古く、1936年にはモーリーのアペラシオンが確立しています。造られるワインはV.D.N(天然甘口ワイン)が中心ですが、通常のワインも造られています。モーリーの甘口ワインはポルトガルのポートワインのように長い熟成に耐え、瓶内で何十年も熟成させて楽しむ一面もあります。蔵に行くと1950年代などの古いモーリーがコレクションされています。

そのモーリーで長い歴史があり、かつ最大の規模を誇る蔵がマ・ザミエルです。200年前にアミエルファミリー(Mas Amiel=アミエルの家という意)が興したのを始祖とします。ルーションらしい岩山が連なる壮大な景観を背後に抱えたアジリー渓谷の中腹に広がる約170hlの畑を所有しています。

このエリアは年間260日が晴天と言われる太陽の土地です。年間降雨量も少なく、痩せて乾燥した土壌です。所々岩山の破片や小石が混ざり作業するのが大変な険しい区画もあります。北にはコルビエールの山々が連なり、南東には地中海を抱いているため、気候が複雑に絡み合います。また南にはピレネー山脈があり畑から周りを見渡すとここだけ山々に囲まれているような印象です。

1999年から現在の当主、オリヴィエ・デセルが運営に当たっています。彼はこのモーリーの他にもブルゴーニュやボルドーにもシャトーを所有する生産者です。比較的大きな生産者ではありますが造りや考え方は小規模な手造り生産者と同じです。実際に、広大な畑でありながら収穫は全て手摘みで行っています。また規模が大きいがゆえの豊富な甘口ワインモーリーのバックビンテージを保持しているのもこの蔵の魅力です。

天然甘口ワイン、モーリーを筆頭に赤、白、ロゼ、スパークリングワインを造っています。温暖な気候と豊かな日射量が生み出す完熟した葡萄。それぞれのワインに熟れた果物が持つ充実した味わいと強く華やかな香りがあります。

マ・ザミエルのワインはしっかりとした販売戦略のもと世界各国に輸出、販売されており、マイナーな田舎のワインに過ぎなかったモーリーを全世界に広めた功績も持ちます。